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ISM景況指数
ISM景況指数とは、毎月発表されるアメリカの経済指標です。
全米供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)が主体となり、アメリカの会社にアンケートを行いその統計を発表しています。
製造業に対して調査を行う「ISM製造業景気指数」と非製造業に対して行う「ISMサービス業景気指数(ISM非製造業景気指数)」の2つがあります。
- 製造業…原材料などを加工して製品を生産・提供する産業。
- サービス業(非製造業)…運輸・倉庫、情報・通信、建設・不動産、放送・医療・出版、レジャー・飲食業など。
どんなデータ?
300社以上の会社の購買担当に、各企業の受注や在庫、価格など10項目についてアンケート調査を行います。
各設問、1ヶ月前と比べて「良くなっている」、「同じ」、「悪くなっている」の三択で回答結果を集計して総合指数を算出します。
0から100までのパーセンテージで表され、50%を上回ると景気拡大、50%を下回ると景気後退を示します。
- 購買担当…自社製品に必要な資材(材料)を購入する役割の人。
購買担当のアンケートがなぜ重要視される?
会社の購買担当社は、取引先の動向や製品の需要、社内の生産状態などを見極めて仕入れを行うので、景気を表す先行指標として重要視されています。
為替への影響
ISM指数が0~50の景気後退を示すと、アメリカの経済が悪いことを表します。よって、FRBが金融緩和を行う可能性があり、先行してドル安に振れやすくなります。
逆に、50~100の数値となると、景気が良すぎることを表すので、金融引締を行う可能性が出来きて、ドル高に振れやすくなります。
非製造業指数は米国の名目GDPの9割程度を非製造業が占めることから市場でも注目度が高いです。それと比べて製造業指数は、割合が1割と低程度ではありますが早期に発表されるのでこちらも注目度が高いです。製造業の多くは輸出企業のためドル高が指数悪化の一因とされています。
まとめ
- ISM指数はアメリカの会社の購買担当に景気が良くなったかどうかアンケートしたもの。
- 製造業向けの調査とサービス業向けの調査結果がある。
- 0~50だと景気減速。50~100だと景気拡大を表す。